ざっと60年以上前、子どものころ祖父たちについて山仕事に行く。いつも草刈り場になっていた山のそばに岩海(がんかい)があった。一日中草刈りをしているので、手伝いながらも子どもの私はちょいちょい仕事をやめて周囲の山で遊んでいた。その格好のあそび場が岩海だった。岩の上を飛びまわり、岩の隙間をのぞき込んだりしたものだ。多分、十五六歳くらいから山仕事にはいかなくなったように思うので、かれこれ60年。学校の社会の授業の中で三角州やカルスト台地などと同じように岩海という地形があると、チラッと学んだような気がする。そのときに、自分が遊んでいた岩の山が岩海というものだと知ったように記憶している。それから、その山一帯はリゾート開発されるとのことで二百数十ヘクタールがまとまってリゾート開発業者に買収された。そのご、バブルがはじけリゾートは開発されることなく塩漬けされた山が数十年後に町によって格安で買い戻された。今もその広大な山野の大部分が利用計画もなく手つかずで放置されているので、町も地域もどうにか利用できないかと模索している。もともと草刈りや薪づくり、炭焼きなどに利用されてきた里山なので大規模な植林もされておらず、人が行かなくなったので草木が生い茂り人が入るのも大変な山になっている。近年わずかに未舗装の林道が整備され、多少行きやすくなったものの岩海がどこのあるのかさえ分からなくなるほどで、昔の記憶を頼りに山に詳しい知人を伴い探りに出かけた。子供の記憶とはいえ、結構思い出すもので、一発で迷うことなくその岩海に行きついた。ところが、あの岩海は全く表情を変えていて、木々が岩の隙間や岩の苔の上で生い茂り、岩自体はほぼ苔に覆われている。まるで苔岩の庭ではないか。子供のころに飛び回った岩海とは思えない姿だが、苔岩の庭は違った意味で美しくもある。枯れ木や不要な落ち葉などを整理し、人が歩ける道を整備すれば、岩海ではなく苔岩の庭として十分魅力的になりそうである。60年の歳月を感じるとともに、自然の力、また自然の景観すら作ってきた人の力、どちらがすごいのかわからないがその偉大さを実感している。
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