「大寒の水は腐らない」「寒もちはカビが生えにくい」と、爺さんが言っていた。昔は多くが井戸水や山水をなどの天然の水をそのまま利用していたのでその時代の伝承である。その他にも、寒餅や大寒卵、寒シジミなどの伝承もある。大寒の時期、渓流の水も井戸水も最も動きが少ない。野生動物も人間も最も活動が低調になる。原因はいろいろでも汚染の原因になる人間や動物の活動が少なく、田畑からの汚染物質(肥料や農薬・土)の流出や浸透も少ない。その結果として、地上を流れる水も地下水も普段より格段にきれいで、水を腐らす原因物質が少なく「大寒の水は腐らない」「寒もちはカビが生えにくい」が先人の知恵として生まれたのではないかと思う。寒卵や寒シジミ、冬は寒さをしのぐために冬前に栄養分をたっぷりと体内に取り込み、鶏は卵を極力卵を産まなくする。シジミは水底の泥深くに潜り込んで、体内に栄養をたっぷり取り込んで春を待つ。その分、それぞれ栄養価が高く、大寒時期に産んだ卵や採れたシジミは貴重だったのだろう。
その伝をふと思い出し、今年は大寒もちを搗いた。普通の餅と赤米を3割程度混ぜた赤米餅を1升6合づつ。昨年の暮れに搗いてから2回目。
お餅の形を角か丸かで、東西の文化比較をされるが、もう一つ、コッペパンみたいに長丸に丸めて、少し硬くなったら輪切りにする地方もある。私の地方、広島県北部は、かき餅をつくるとき以外は過去は間違いなくほぼすべてが丸餅だったが、それは爺ちゃん婆ちゃん父ちゃん母ちゃん、子供たちと大家族だったころのこと。夫婦二人とか、高齢者だけとかになると、そんなことはできない。餅を搗き、熱いうちに端から小さくちぎり一個づつ丸めていく作業は人手とスピードが勝負なので、とっくにあきらめて、もろぶた(ばんじゅう、餅箱)に適当な大きさになるように仕切りを入れて流し込む。一晩いおてさくさく切れば角餅の完成です。
普通の餅もおいしいけど、赤米餅はその香ばしさがなんと言えないおいしさだ。多くの方が赤米餅を食べたことはないと思うが・・・そもそも赤米餅はめったに売っていないので・・・我が家の赤米餅はたぶん日本唯一の赤米餅である。その極意は赤米ごはんの素をもち米に20~30%混ぜて搗く特別なものだ。この赤米ごはんの素も大朝で開発され、ほぼ大朝でしか売っていない貴重なもの。しかも販売量が少なく、一度売れりきれたら来年まで待たなくてはならい。昨年分はとうに売りきれ、今年分はまだ販売していない。私は、この時のためにひそかに保存しておいたのである。
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