隣の不在地主の畑が草ぼうぼうになるのも何なので、数年前から植え始めた彼岸花がだんだんと咲きそろい始めました。まだまだ一面赤いじゅうたんまではいきませんが、少しずつ見栄えがよくなってきました。いつも思うのですが、彼岸花の色と言い、造形と言い素晴らしく見事で、そして妖艶で美しい女性を思わせる妖しさが何とも言えない。一昔前までは、どちらかといえば縁起が悪いとか、根に毒があるなどもあって避けられ、家の周りに植えるとひんしゅくものでしたが、その妖しさと見事な赤色がむしろ美しいと歓迎されるようになってきた。時代の変化は面白いものです。も一つの酔芙蓉。こちらは寒い大朝では縁遠い花でしたが、15~20年くらい前に植えたものが何とか生き永らえて、毎年何とか花を咲かせます。
酔芙蓉を知ったのは、もう30年以上前のこと。たしかNHKだったと思うのだが、富山県の越中おわら風の盆の祭りをテーマにした高橋治の小説「風の盆恋歌」が、実際の「越中おわら風の盆の祭り」と重ねて放送された、小説は、死をも予感させながら、危うい大人の恋の旅路をおわら風の盆の夜をクライマックスに、ぼんぼりの灯かりや胡弓の音。そして夕暮れになるにつれ、街角の酔芙蓉が妖しく酔ったように紅く染まっていく情景描写は、実にリアルで不倫ではあるがその真実の愛の深さとあやうさは衝撃的であった。
悲しいかな、そんな大人の恋には無縁だが、酔芙蓉を見るたびにそんな情景がほんのりと浮かんでくるのである。
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