古代の製鉄技術「たたら」では砂鉄と木炭を粘土で作った窯にいれて1200℃以上で燃焼させ、鉄を製造する。その時に、砂鉄中に含まれる不純物は高温で熔融し、窯土などと反応し約半分が鉄滓(てっさい)となり捨てられた。その鉄滓は、ノロ、ケラ、金糞(かなくそ)などと呼ばれる。たたら製鉄で鉄を生産した折に出る不純物が混じった鉄になれなかったクズ。この鉄滓があるところの近くには何らかの製鉄が古代や中世、近世に行われていたことを示している。一見、隕石や溶岩のように見える鉄滓は、製鉄の残りクズなので、若干鉄が混じっていて、磁石がくっつくので鉄の存在を確かめることが出来る。今でも大朝ではいたるところで見つけることが出来る。川原を歩けば流れて角が取れ丸くなった小さな鉄滓のかけらがたくさん見つかるし、山の中ではいまでもたくさん出るところもある。多少物好きな主人がいる家ではこの鉄滓を盆栽仕立てにしたり、大きなものは庭の飾り石にする家もあった。今でも庭の片隅などで見受けることがある。
この鉄滓は古代の「たたら」や製鉄の研究者や文化財調査にとっては貴重な研究材料のようだが、私はそれとは別の魅力を感じる。世間で言う「盆栽」や「水石」と同じように、鉄滓には鉄滓の美がある。この鉄滓は、自然のものではない。しかし、今後人工的にほとんど作れるものでもない。「たたら」という製鉄法に依ってのみ偶然に産出されたもので、今では出雲で保存のためにほんのわずかに行われている「たたら」以外に、もう再び誕生することはないのである。完全な自然石ならこれからも、それこそ自然に生まれてくるだろうが、この「たたら」によってしか生まれない鉄滓は、逆に限りある貴重なクズなのである。金糞などと言わず、鉄滓の貴重性や魅力、美の再評価をしていけたらと思っている。

これは直径30センチくらいで中程度の大きさの鉄滓。

河原ではこんな小さなものがたくさん拾える。

多少加工し岩松を植えて盆栽風にした鉄滓。
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