ここ数年、やまなみ大学三次キャンパスで調査を進めていた「三次のお堂群」の全容が次第に見えてきました。アンケート調査や教育委員会、図書館などで色々調べても地域や断片的な資料は出て来ても全体を俯瞰できるような資料がないので、最後は足で稼ぐしかなかったのですが、何とか全域をほぼ網羅することが出来ました。一部地域で調査できなかったり、山道で今となっては行くことすら難しくなっているところ等もあって、完全とはいきませんが、現時点で202の堂宇を現認することが出来た。かつての資料では、ほぼこの倍近い数のお堂があったらしいのですが、それでも200を超える数はすごいというほかありません。この中の三分の一くらいは、痛みがあったり忘れられようとしていたりするが、多くがいまだ健在で、お堂をめぐる様々な風習やお祭り「地蔵講」「地蔵供養」「地蔵担ぎ」、そのほかにも伝説や言い伝えなども残っている。しかし、多くがその成り立ちや由来、言い伝えもおぼろになり、かなりの数のお堂が、正確なお堂の名前すら分からなくなっているのが現状である。広島県の福山市から三次市にかけての地域に伝わる「安芸備後の辻堂の習俗」は、それでもいまだに健在なところも多いので、今のうちに何らかの保存に向けた取り組みや活用の方策を少しでも考えていけたらと思う。とはいっても、私たちは素人。できれば民俗学や地域学の専門家に科学的な分析や調査などをしていただくことが出来ればと願う。このお堂の数、各地に残る様々な風習や祭りは、私のふる里ではないがふる里の貴重な資源・財産であると思うのである。
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