日本で18番目の世界遺産だそうです。今まで永い年月、工場の保存や文化を継承してこられた多くの皆様、そして群馬県、富岡市、伊勢崎市、藤岡市、下仁田町の皆様、心よりお祝いを申し上げます。
私も繭のクラフトに関わって十数年。日本の養蚕の歴史や蚕や絹糸のことを知れば知るほどにそのすばらしさを実感した。かつて日本の貴重な産業であり、近代化にとってどれほど重要な役割を果たしてきた。今回の登録はその遺産としての価値を評価されたものではあるが、蚕や絹は過去の遺産ではなく可能性に満ちた優れた天然素材として未来に限りない可能性を開いている最先端素材でもある。この度の世界遺産登録は、群馬県、富岡市、伊勢崎市、藤岡市、下仁田町だけの記念すべきことではなく、日本全体にとっても素晴らしい出来事である。単に観光産業に利用するだけではもったいない。安倍首相が本当に日本の再生を経済の再生を目指しているならば、蚕や絹で新たな産業を開くために養蚕や絹産業の技術開発をもっと本気で進めるべきではないかと思う。過去の遺産として、また天皇家の伝統としてのみ伝えるのは余りにももったいないことだと思うのである。
それこそが世界遺産に登録された意味も大きく出てくるのではないかと思う。そして、永年にわたって世界遺産登録へ尽力されてきた皆さんへの努力に報いることにもなるのではないかと思う。
広島の繭の「あっぱれ猿」もお祝いしています。