東北の空に向かって黙祷。青い空にぽっかりと白い雲。6年前と違って、穏やかで温かい3月11日です。この6年は早いのか遅いのか分からない。少しづつ復興が進められているとはいえ、遠くから見ていてもその足取りは早いとは思えない。なおさら、福島に至っては、まだまだ6万人を超える避難者が存在し、自主避難者を入れるとどのくらいの数になるのか分からない。政府は早期の帰還を促すために規制を解除するというが、社会インフラも生活インフラもなく、友達も近隣住民もいない町にどれほどの人たちが帰られるのだろう。6年もたてば、非難した場所で、移住した場所で新しい生活が始まっている。地元を離れて学ぶ学生は3年か4年。転勤族は2~4年程度で転勤していく。6年も同じ町で暮らし、さらにまだ何年かかるか分からない状況では、自分だったらどうするだろうと。自分の選択で町を離れたのならば、それは覚悟の上であるが、想定していなかった事故で追いやられ、帰ろうにも帰れない現実は残酷である。原発の安全神話は幻であった事。そして原発政策が破たんしているにもかかわらず、その存続をごまかしながらごり押ししようとする政府。復興のために全力を尽くすといってきた政府の声が、むなしく思い起こされる。