広島県北広島町大朝地区は、広島県では有数のほたるの里でもある。ただ単にほたるが多いと言うわけではない。ほたるが多いだけならたぶんもっと多い所はあるだろうが、大朝はほたるの数ではなく、人とほたるの関係にある。元々、地域住民は水を大切にし水をきれいにしようと言う意識が高い地域である。その一つのシンボルとしてほたるがある。岩戸地区は、ほたるの勉強会を開いたり、ほたるが少なくなったときには、幼虫を孵化させたり、街灯がほたるの邪魔と聞けば、ほたるの季節には街灯も消す。川の中の雑草もほたるがタマゴを生み終わるまで刈らないなど、日々川と向き合い、ほたるを守っている。かと言ってほたる保存会などがあるわけではない。日常の暮らしの中に当たり前にあるのである。そして地域住民上げての、ほたる祭りは今年18回を迎えている。一方、同じ町内でほたる祭りを開催しているのが筏津地区。こちらも岩戸に負けないほど、ほたるが身近である。そもそは、地区全体の圃場整備時に遡る。普通なら圃場整備するときには、用水路をコンクリートで固めてしまうのであるが、筏津は違った。圃場整備で出た大きな岩をそのまま使い、幅がコンクリート用水路の3倍はあろうかと言う広い用水路を田んぼの面積を減らしてでも作ってしまったのである。こちらも20年以上前の話である。環境保全とかほたる保護とかの問題ではなく、地域の用水路をコンクリートの便利さよりも自然のままを選択したのである。この地区にも環境保護団体などがあるわけでもなく、地域住民が素晴らしい地域を子供や孫に残してやりたいとの思いだけであった。岩戸と同じようにほたる祭りを地域のシンボルのようにみんなで開催しているのである。どちらも、町内はもとより、遠方からもたくさんのお客様が訪れるとともに、ふるさとを離れている子どもや孫、親戚もこのときに合わせて帰郷するのである。お盆やお正月以上に、地域が賑やかになっているのではないかと思う。今年の岩戸のほたる祭りは、例年賑やかであるが、それ以上に盛況に見えた。ちょくちょく紹介する音楽家の奥野勝利さんが、ほたるの舞う川のほとりでオカリナコンサートも開催。一味違ったほたる祭りになっていた。
岩戸祭りのスナップ。手書きの大きな横断幕がこの祭りのシンボルともなっている。
ステージでは、この地方固有の神楽が・・・これが目当てでくるお客さんもたくさんいる。
ほたるの写真。露出8秒、手持ちなのでこれが限界。
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